2012/12/21

シリコンバレーのスピード感を体感中

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前回の記事で書いたように日本人がシリコンバレーで成功
するのは非常に難しいという内容を書きました。


なぜ日本人が厳しいかをさらに付け加えると


・日本の会社


日本に会社があってアメリカに子会社を設立するケースだと、
日本の会社にに権利(IP)があるためアメリカのVCは
投資してくれない。かといって日本の会社をアメリカの子会社に
すると、もともとやってきた日本のチームはVCの的確かつ冷酷な
指示に付いてこれない。


・英語


基本中の基本だが、日本は世界中で見ても最も英語が
苦手な国民。日本語という特性上仕方のない部分もあるし
国内にマーケットがあったから必要性がなかった。
でもこれからグローバル化するに当たってこれが大きな
障害になっている。日常生活の英語レベルでビジネスが
できるわけもなく、ネイティブレベルを求められるのは当然で
日本人にとって非常に厳しい。


・価値観


狩猟民族と農耕民族、海に囲まれた安全な国土で、協調性を
大切にしてきた日本人。日本製品の輸出によって支えられてきた
時代は良かったけれど、今や出て行かないといけない。
外国から日本に入るのが難しいガラパゴスマーケットではあるが
裏を返せば、日本人からみたら外国全てが逆ガラパゴス。
日本の中から外国のニーズを満たし売上を上げるのはほぼ不可能。
その地に入り、その地に自分自身を馴染ませ浸透させないといけない。


・マーケット


日本で通用するマーケティングや顧客基盤は海外では
一切通用しない。当然ながら同じ考え方・手法でやっても
全くもって響かない。その地のその価値観に合わせたもので
その地のローカル企業以上のものを提供しないといけない。
日本人の安全・信頼・ホスピタリティのような強みは
ベータ状態で素早くリリースされ、機能・価格が重視される海外で
IT上において日本人の強みは重要とされていない。



・資金


日本に親会社がある場合は海外VCからの資金調達は難しい。
日本のVCは日本のマーケットしか基本は知らないから、
お金は入ってもマーケティングの助けにはならないので、
逆に意見者が増えて足かせになる可能性が高い。
では自己資金で攻める必要があるが
日本でしっかりマネジメントできる人を育て、
日本のビジネスを回し利益を出しながら
決定権者を海外に送り込む必要がある。
社長・事業長クラスを派遣せずに切り込めるほど
海外市場は甘くない。海外に重要ポストの人間を送り込んで
日本本国のビジネスが傾くケースも多々ある。


・マネジメント


協調性を重んじる日本人。全体的にホスピタリティ高く、
責任感持って仕事をしてくれる傾向が高い国民性。
海外はそうじゃない。突然今日クビにすることもあれば
どれだけ重要なポストについている人でも突然辞めると
言い出すことが多々あり(条件のいい会社へ)
辞めたいと言われたら会社は2週間で退社を認めないといけない
法律まであるのだそう。もちろん引き継ぎはできない。
だから普段からいつ辞められてもいいようにドキュメント化を
しっかりさせておく必要がある。いつでも辞めさせることができるように
アメリカ企業の給料は月2回払いがデフォルト。月1回だったら
来月の給料まで負担しないといけないので資金がギリギリの
スタートアップは資金が持たないからだそう。
スタートアップは2週間ではなく毎週金曜日が給料日
という会社も良くあるのだとか。海外での経営は
一見車の運転のように同じ車、同じ交通ルールに見えるが
右側ハンドル、左側ハンドルの違いがあり同じように運転したら
大事故になるように、真逆のスタイルでマネジメントする必要がある。


・ビザ


日本の大企業の社員でもビザが通らないことが多々ある
そうだが、スタートアップになれば通るほうが稀かもしれない。
ビザが通らないということは土俵にも上がらせてもらえない。
幸いChatWork社は2000年創業で黒字経営を続けてきた
経緯や資本金の額、プロダクトのビジネスプランが
認められL1という種類のビザが1年だけ降りたが
シリコンバレーに10年以上いる方には
「ビザが降りただけ良かったじゃない。ビザが降りたら
ゴールみたいなものだよ」と言われるほど厳しいのだそう。
我々からすると「いえいえ、あくまで土俵に立っただけで
全くこれからどうしていいものか」という状態ではあるが
やる気はあっても土俵にすら立たせてもらえない。
ビザが通る大きなポイントは一つ。アメリカ国内でアメリカ人の
雇用を生むかどうか。海外から優秀な人をたくさん連れて
来られたらタダでさえ10%の失業率がさらに上がってしまう。
とにかくこの会社はアメリカ人を採用する見込みがあるかのみ。
ビザが通らない会社の状態で海外市場で成功するのは到底無理。
ビザが通らなかったことで逆に資金、人材の流出を防げて
良かったと考えても良いかもしれない。


・スピード


日本の会社は縦型組織。しかも大企業の場合は特に決定権は
日本本社にある。シリコンバレーではスピードが命。
初めてあった商談で、今決めてくれということもある。
日本の会社は社に持ち帰って、稟議・稟議・稟議。。。
1ヶ月後にやりましょうという返答では、もう相手はいない。
決定権者が会議に参加するか、もしくは翌日には回答できる
体制でいなければスピードについていけない。


ChatWork社も代表の私自らがシリコンバレーにいるため
まさに今このシリコンバレーのスピード感を体感している。



2日前に初めてあった会社との打ち合わせにCOOの井伊が行き、
井伊からその日中にChatWorkで詳細情報が届く。夜中にそれを
チェックし、翌日すぐにそのミーティング。そしてその
条件に興味があると回答。明日うちのオフィスに来れないかと
提案。「11時〜15時なら行ける」との回答。
サンフランシスコからシリコンバレーに来訪してもらうため
11時〜15時の前後に往復3時間ほど移動時間があるため、
おそらく他の予定も入っていたと思われるが、それを全て
キャンセルしてでも打ち合わせに来る。
これができるかどうかで大きく変わる。


日本人の責任感、律儀さは素晴らしいがこういう大チャンスの
時に逆に足かせになる。本当の大チャンスが来ているなら
家族が病気だとか何かしらの理由をつけてでも
それを掴みにいくしたたかさが海外で切り込んでいくには
必要なのかもしれない。


ChatWork社もそのスピード感についていくべく
打ち合わせを先に決めてから、それが技術的に可能かを
CTOに確認するべく連絡。ChatWork社は先週末から冬休みに
入っているため、CTOはモルディブ滞在中。
会社の命運がかかっている商談になる可能性が高いため
これらの経緯を説明した動画をChatWork経由で
送付し、12時間以内に返事して欲しいとメッセージ。
2時間後に「GoしてOKです」の回答。


さて、これからその重要な商談が始まる。。。
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