2013/06/25

日本のIT企業がグローバルで成功する全貌がようやく見えてきた!

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この記事はあくまで私が見てきて得たもの、感じたことを書きますが
間違っていることが含まれている可能性や、全ての業種に当てはまるもの
ではないですが、1年間必死でいろんなことにチャレンジしてきた体験に
もとづく気づきなので日本企業、特にIT企業には参考にしていただける情報が多いと思います。


ChatWork社は2012年にシリコンバレーに法人設立して北米展開を開始し
アジア展開はシンガポール・台湾を中心に出張ベースで進めて来ました。
そして今回ルクセンブルクの展示会に出展してヨーロッパについても
情報を得て来ました。


■日本独特の特殊な環境


今でこそ断言できますが日本国内にいると世界での戦い方が全く見えません。

当然と言えば当然なのですが、日本は特殊過ぎる環境です。
都道府県ごとに多少の違いはあれど、日本語がどこでも通じ、
顔が似ていて、価値観が近く、一定のモラルがあり、食生活、文化、
教育など世界に類をみない国です。これには良い面も悪い面もあります。




良い面としては、新しいサービスを考える上でも日本人相手には
似た価値観をもっているので、こういうものが当たるだろうと予測が
できたり、営業する上でも日本人同士なら阿吽の呼吸があるため
やりやすいです。海外から見ると日本のマーケットは大きいから
魅力だけれども言語の壁以外にあまりに外国人にはハードルが高い
ポイントがたくさんあるためそれが参入障壁となって日本企業は
守られてきた側面があると思います。


悪い面としては、国自体が完全にガラパゴスであるため逆に
海外展開する際に何で日本のやり方が通用しないかが全くわからない
ということです。しかし、日本で成功した会社はそれをそのまま世界に
通用すると勘違いしてしまうため、結果的に失敗してしまいます。


ここで言いたいことは日本と海外は違うものは違うんだということを認識し
自分の持ってるビジネスにおける常識をいったん白紙にしないといけないということです。


ChatWorkのグローバル展開の背景


ChatWork社のグローバル展開に至った背景ですが
私は2000年に創業し、2002年頃からシリコンバレーはどんな所
なんだろうとぼんやりと意識し始め、2005年にシリコンバレーの
視察研修に参加してから必ずシリコンバレーに戻ってくると決意しました。
それから毎年出張ベースでシリコンバレーのカンファレンスに参加していました。


世界に通用するサービスを作りたい作りたいと思ってはいたものの
自社の経営を回すために必死で、国内向けが中心のサービスしか
提供できていませんでした。2010年頃ようやく会社が安定して回り始め、
ChatWorkの元となるアイデアが社内から上がってきました。


ChatWorkは当時世界中どこを見てもないサービスであることも
リサーチ済みでしたが、そのアイデアはGoogleFacebookが入って
くるだろう領域であり30人の会社が戦うのは無謀過ぎると一度は却下しました。

しかしCTO兼 弟でもある山本正喜が
「どうしてもやらせて欲しいです、例え流行らなくても社内だけで
使うことになったとしても」そうか、そこまでやりたいならまずは1人、
2人というスモールスタートの開発体制でスタートしてみようかという形で始まりました。


設計段階から世界で普及させることを意識して、日本企業が陥りやすい
あれもこれもつけた高機能・高価格ではなく、シンプルさを意識して
料金体系も世界のクラウドサービスに対抗できる価格設定を意識。

約1年後の2011年3月1日にChatWorkをリリース
※リリース当初は料金に0が1桁足りないんじゃないかと言われました。笑

世界で戦うプロダクトを目指していたため、日本にいたアメリカ人を採用し
2011年6月にサンフランシスコ開催されるSF New Techというアメリカ人
350人以上が参加するイベントでプレゼンした際に英語版をリリースしました。




そこで得た結果はスタートアップバブル真っ只中だったこともあり
5億円、10億円投資したいという投資家からオファーはあったものの
目的であったユーザー増にはつながらず、自分の中では惨敗でした。

大学時代にアメリカに留学し、2005年から毎年視察してアメリカのことは
わかっていたつもりだったのに・・・これじゃダメだ。
これ以上視察を繰り返しても意味がない。どうしよう。。。と途方に暮れました。


仕事におけるアメリカ人のことを一番理解するにはどうしたらいいか、
うーん、そうか、アメリカの会社に入るのがベストではないか?!と考え
サンフランシスコのIT企業「btrax」CEOのブランドンさんにお願いしました。

山本「btraxでインターンさせて欲しいんですけど、、、」

ブランドンさん「え?山本さん社長でしょ?」

山本「はい、社長ですけどインターンさせて欲しいんです」

ブランドンさん「しかもデザインもプログラムもできないよね?」

山本「何も作業はできないんですけど、インターンになりたいんです」

ブランドンさん「・・・」


山本「僕はアメリカのことが知りたい、そしてうちは日本市場の
マーケティングは得意ですから日本に進出したいbtraxの日本市場進出は
支援できますのでそのバーターってことでどうでしょう?」

ブランドンさん「うーん、何だか良くわかんないけど、いいよ」

ということで2011年8月、9月とbtrax社長室でインターンすることになりました。



当時は日本もスタートアップバブルと言えるほど加熱していて
大学でたて(大学生も)の若者がひっきりなしにサンフランシスコに
来ていました。日本のメディアも停滞する日本市場の新たな活路として
若いスタートアップの特集番組が次々に組まれていました。


私は2002年からシリコンバレーを目指し始めて10年近くたってるにも
関わらず次々に追い越されているような気になって、焦りと同時に悔しい
思いで一杯でした。

2ヶ月間のインターンで日本とのあまりの違いに、これはインターネットで
つながってるといえども、とても日本から遠隔では戦えないと感じたこと、
スタートアップブームの勢いも後押しして2012年に米国法人を設立して
自ら移住することを決めました。


■移住前のグローバル戦略


シリコンバレーに移住することを決めたら、私は人にどんどん話して
いくことで自分の意思を固めていったり、アイデアが思いついたり
するのでたくさんの人に話したり、ソーシャルでポストしていきました。

すると、出てくる質問が「どういう風に展開していくの?」です。

私はインターンをしたことであまりに違うということだけは分かり
始めていたため日本にいる時に考えたグローバル戦略は日本人が思いつく
戦略だから間違った戦略で計画を作ることになるので、あえて何も考えないようにしていました。


周りからは何も考えていない無謀なチャレンジに見えたようですが
何も考えないことが戦略だったんです。笑 本当に。


ただ、あえて考えない中でもざっくりとこういう形でいくんだろうなぁと
考えていたのは、次々に世界を席巻するIT企業が生まれるシリコンバレーに
行くことでプロダクトを世界に通用するものへ磨き、モノ作りが得意な
日本人かつ日本に開発陣があるため日本で作り、市場が急拡大している
アジアへ売るというものでした。

まとめると

「アメリカで学び」→「日本で作り」→「アジアで売る」

この話をいろんな方に話すと、皆さん納得されていたようでした。

しかし、この移住前に考えた戦略は根本的に間違っていたことに気づかされるのです。


 ■地域別グローバル戦略


世界各地域別で得てきたグローバル戦略について書きますが、前提として
ChatWorkを広げるという視点であるという認識で読んでください。
ChatWorkはフリーミアムモデルのクラウドサービスで、B向け、
対象者は生産性を上げたい会社が対象です。

C向けや飲食や製造業などの別業界には当てはまらないことがあります。



北米編


アメリカはサービスに対する考え方が日本人と異なるため切り開くのは
タフですが、やはり最大の市場で無視できない存在です。

アメリカで"純粋に"日本人がスタートアップとして大成功するのはまず不可能です。


可能性としては日本のミュージシャンがアメリカの
ビルボードで1位になるくらい難しいものと同じだと思います。
言語だけでなく、好みも違うし、業界へのネットワークもないからです。
野球はルールがほぼ同じで言語や文化が関係ないためまだ成功しやすい。

"純粋に"と書いたのは日本人がアメリカに行って、スタートアップを
始めたいと手を挙げて、Co-founderを見つけて投資を募り
最終的にバイアウトしてEXITするという成功モデルのことです。

いわゆるシリコンバレーのエコシステムというものですね。


まず大前提として、そもそもビザが降りません。ビザが降りなければ
滞在できない訳ですから、土俵にすら上がらせてもらえないのです。
アメリカは移民の国と言われていますが、ビザの審査は非常に厳しいです。

ではどういう基準でビザを発行するかですが、その人がアメリカに
貢献できる人かどうかが基準です。つまり雇用を生むか大金を持ってくるかです。

雇用を生むかどうかの判断基準は日本での実績が厳しくチェックされるため
これからスタートアップとして雇用生みますと言っても通用しません。
日本のスタートアップがビザが通らないのはここで引っかかっています。


あとは大金を持っていくことになりますが、そもそもこれから起業する人に
大金はありませんのでこれもアウトです。

市民権や永住権を持っていて小さな頃から住んでいる、アメリカの大学を
出て卒業後に1年間だけ働けるビザが出る間にスタートアップを立ち上げる
というような方であればまだやりやすいですが、いずれにしてもハードルは高いです。

やはり急がばまわれで、世界にいずれ出ることを意識しつつ日本で
ある程度の実績を作る必要があると思います。



アメリカで日本のIT企業が成功するために私が思うのは以下の3つパターンです。


1、日本人が得意な分野で勝負する

これは当たり前といえば当たり前ですがゲーム、アニメ、キャラクターなど
世界的に見て日本が圧倒的に強いジャンルで勝負する。


2、日本で世界に通用するサービスを意識して作り日本でまずユーザーを獲得する

これがChatWorkのパターンです。まだ成功していないので成功する
パターンに入れるのはどうかと思いましたが、このパターンで
成功させてみせる!と思っているので入れました。


まずChatWorkがやったのは、自分たちが過去にやってきた事業や
得意分野の延長線上にあり、かつ世界中探しても見当たらない新しい
サービスを意識しました。

これは起業でも何でもそうですが、自分があまり知らない、
求めてないような領域で戦うのは想いも入っていないし、
ニーズがわからないのでうまくいきません。


ChatWork社は当時5万社のお客様を30人で回すという圧倒的な
業務効率化を社内で実現していた延長線上にChatWorkがあります。
もともとはSkypeで社内のコミュニケーションが全て行なって
いましたが、ビジネスで使うにはこういう風にして欲しいと
Skype Japanの社長にいくら要望しても改善されなかった
ことがあり、自分たちで理想のプロダクトを作ろう
ということで始まりました。

ありとあらゆる業務効率のアイデアを結集させてあり、
今はまだ実現できていない今後何年にも渡るロードマップも見えています。

シリコンバレーで最近競合が出てきていますが、ChatWorkには
ロードマップが見えているため戦える自信があります。


世界を意識して英語版も同時に作りますが、まず大事なのは日本の
ユーザーからお金をもらえているプロダクトになっているかです。
気のしれた日本のユーザーからもお金がもらえないようなプロダクトで
世界に出ても戦えません。

そこで注意しないといけないのが、日本のユーザーの意見をそのまま
反映させてはいけないということです。もちろんユーザーの意見は
随時チェックして聞きますが、その意見が世界にも通用する意見かどうかを
きちんとフィルターしないといけません。そうしないと、高機能・高価格の
世界に売れないプロダクトになります。
日本のユーザー相手でも常に世界の視点から判断するということです。


さて、日本のユーザーで売上が見え、アメリカにいよいよチャレンジする
という段階まできたら、誰がアメリカに行くかを選ぶことになります。

ここで断言できるのはアメリカに行くのは社長もしくはそれに準ずる
その場で意思決定ができる役員が行くべきです。冒頭に書いたように
日本はビジネスにおいてもガラパゴスであって、アメリカでこういうものが
必要だと伝えても日本からは理解されず担当者レベルでは通せません。

社長の私が目で見て、こうすべきだということが100%正しいと
思えることでも、なかなか通せない時があるくらいですから
担当者の方はあきらめて提案すらしなくなってしまうと思います。


社長や役員がいくと会社が回らないという問題に関しては
この記事のように全て丸公開で実現する方法を書籍にしてありますので
こちらの書籍をどうぞ。笑



アメリカに進出する人数は1人もしくは多くても2人までです。
それ以上は日本人は連れて行かないというのが鉄則です。
アメリカのマーケティングはアメリカ人にやらせないと無理です。
アメリカ人が日本人の感覚がわからないように日本人は
アメリカ人の感覚がわかりません。


日本でビジネスの実績がある英語ができない人と
日本でビジネスの経験が浅い英語が出来る人だったら
前者を連れていくべきです。

英語は単なる言葉ですから話せるだけでは意味がないのです。

アメリカに行く人が決まり進出したら、次はアメリカでの採用です。
通常はL1というビザが1年しか降りないため、アメリカで採用しないと
アメリカで雇用を生まないなら帰れということでビザが更新できません。


しかしシリコンバレーのIT業界はバブっていていい人を採用しようと
思ったら、株が渡せないなら少なくとも2000万以上必要です。
うちもそうですが日本の会社は株を渡さない会社が多いのですが
アメリカ人からしたら理解できないようです。じゃぁせめて
お金はこのくらいもらわないと働かないよと。

とてもそんなお金出せないよと思われるかもしれません。
うちもとても出せません。資本金は14万ドルにしましたから
給料だけで1年持たない計算になります。


さらにアメリカは訴訟大国です。社員から訴えられることも
よくあります。例えばアメリカの給料の支払いは月2回が一般的です。
スタートアップにもなれば毎週金曜日が給料日という
会社も少なくありません。もちろん意図としては
クビにしたい人に1ヶ月分払ってられないという意図ですが
アメリカの経営を全く知らない日本人経営者が
うかつにフルタイムでアメリカ人を雇ったら痛い目にあいます。

そこでいい方法があります。


コントラクター(契約社員)を雇うのです。
日本と違って副業が当たり前なので、
自由な働き方を求めて優秀な人もフリーランスでたくさんいます。
もちろん給料はやってもらう内容やスキルによってピンキリですが
うちでは1人あたり月数万円~10万円前後で4人採用しています。

しかも全員自宅から勤務なので基本顔を合わせることもありません。
4人のうち2人はネブラスカ州とシアトルなので一度も会ったことがなく
ビデオ会議のみです。


進出直後は体制を整えるだけで精一杯でフルタイムで雇っても
やってもらうことも少ない上に高い給料と労務リスクを抱えるので、
まずはコントラクターから始めましょう。

2人の雇用で1年目のビザは更新できるだろうとビザ弁護士から
言われてるので4人雇用しているChatWork社は7月に期限を
迎えるビザの更新はおそらく大丈夫だろうと見ています。

ChatWork社のシリコンバレーでの動きはこちらで中継していますので
これからアメリカに挑戦されるかたはこちらどうぞ



3、日本市場を見ずアメリカで一から創業する形で進出する

ハードルは高いですがゲームやアニメのように日本の強みを活かさない
事業でアメリカで最も成功確率が高いのがこのやり方です。

ChatWork社は日本にいながら世界に通用するものをと意識して
やってきました。ただ、それは日本の中にいながらですから
コンセプトやサービスが世界クオリティを目指していたとしても
どうしても日本人の感覚になってしまいます。


このやり方は日本の親会社の内部留保から余裕資金を23億円くらい
をアメリカのチャレンジ資金として用意する。

日本から経営者、及び役員を派遣してアメリカの会社を
実質全てを回すCOO的存在をヘッドハンティング会社に依頼して
採用する。日本人の社長は日本とのパイプ役や一緒に考えることは
しても、基本的に全決定権をアメリカ人に任せる。

日本にあるプロダクトは一切持ち込まず、アメリカで一から
市場調査をして、その上で英語版のサービス開発をスタート。
日本向けは意識しない。ニーズがあれば後ほど検討する。


採用からリリースまでは23年前後はかかりますが、その分の
資金が23億くらい必要であるということです。

このやり方が理想だとはわかってはいるんですが
資金面もそうですが、このやり方ができる日本の会社は
かなり少ないため、2のやり方でも成功できるということを
ChatWork社が証明して、うまくいったやり方をこの記事のように
公開して後に続くような会社をたくさん生み出したいと思っています。



アジア編

移住前に考えた戦略で伸びているアジアをマーケットとして照準を合わせ
北米展開と同時にアジア展開も開始しました。最もタフなシリコンバレーに
法人を設立することを優先していたため、アジアにはまずは出張ベースで
情報収集を始めました。


アジアへの情報収集には「IT飲み会」をプラットフォームとして活用しています。

ChatWork社はIT企業が集まる「IT飲み会」というをミートアップを
2008年から大阪、東京で始めました。各地で同じコンセプトで
やりたいという手があがったこともあり現在では日本全国18都道府県で
開催されています。

IT飲み会は通常の勉強会と違って、まず飲みから始まって
一通り会場がホロ酔いになってからからプレゼンがあるという
少し変わったアプローチを取っています。
そうすることでプレゼンターも聴衆もより密になるからです。


主催者として各地で開催される第1回目には参加していますが
その時に気づいたのは、同じ日本でも地方に行くと東京や大阪とは
大きな違いがあることに気づきました。

東京や大阪だと良いサービスをインターネットで見つけたら
そのまま導入するケースが多いですが、地方の中小企業は
そうではない会社も多いのです。インターネットで良いサービスが
あるのは知ってるけど、それよりも身近な顔の見える●●●●さん
から勧められたサービスを採用するということです。


ChatWork社は大阪本社、東京支社の2拠点であるためIT飲み会が
各地に展開されるまでそのことに気づいていませんでした。

各地のIT飲み会に参加するとその地方地方の県民性を肌で感じ
ことができ、特性に合わせたアプローチができます。

これを経験していたため、サンフランシスコに2ヶ月いる間にも
IT飲み会を開催すれば現地で頑張っている日本人と一気に
つながって情報収集できるということからインターン中に
2回開催しました。するとサンフランシスコ・シリコンバレーエリア
にいる日本人が各回80人ずつ集まりました。


●サイト:IT飲み会

そこで出会った方がIT飲み会をベトナムでもやりたいと
お声がけをいただいて、IT飲み会の拡大とアジア展開の
生の情報収集ができると思い、次々にアジアに会社がある
日本人の方に開催をお願いしました。


これまでベトナムのホーチミン、中国の上海、台湾の台北、
シンガポール、フィリピンのセブで開催されています。
アジアのIT飲み会では飲み会の前後に企業視察もあるため
さらに現地の状況を詳しく知ることができます。

アジアで得た生の情報収集、そしてシリコンバレーで出会った
シンガポールでYahoo!のCEOを数年間していたインド人に
話を聞いて気づいた衝撃の事実が・・・


●FBページ:衝撃的なアドバイス


アジアにはChatWorkのようなB向けのクラウドサービスの
市場がないに等しいくらい小さいということです。

人口は多くてもクラウドサービスにお金を払うという
マインドがない、そもそもクレジットカードを持っていない、
セキュリティより無料のツールで十分と考えているなど。

逆に飲食は若者の人口が多い、日本食ブームなどから
11000円を越えるようなラーメン屋さんに行列ができ
デートにも利用されるということで大繁盛しています。


ということで、シリコンバレーに進出して2ヶ月で脆くも
移住前に考えていた戦略が破綻してしまいグローバル戦略は
一から仕切り直しになりました。

ChatWork社では今アジアをどのように見ているかというと
小さい市場の中でも日本以外の国で普及させることが
できれば売上よりも海外展開の自信につながるだろうと
考えて継続的に展開しています。

展開する国の基準は、市場が成熟していること、
スマートフォンが普及していること、クレジットカードが
浸透していること、親日の国であることです。


具体的にはシンガポール(500万人)、台湾(2300万人)
香港(700万人)の合計しても日本の3分の1の市場ですが
このいずれの国でも成功できなかったらアメリカ、
ヨーロッパなんてとても成功できないだろうと考えています。


シンガポール

シンガポールはアジアのハブになっただけの魅力があります。
整った制度、オープンな姿勢、全員英語が話せる、
東南アジアの中心にあるロケーションなどなど、
提供しているサービスがChatWorkではなかったら
シンガポールに拠点を構えたいと思える国です。


日本人も多く活気に溢れ、1年中温暖(というか蒸し暑い)な
気候なのも寒い冬が苦手は私にとっては魅力です。

ビジネスに関して言えば、シリコンバレーでは自分から
ガンガン行ってもなかなか相手にしてもらえませんが
シンガポールは話を聞いてくれ、次々に関連する人を
紹介してくれるなど、あまりのスムーズさに違和感を覚えるほど。

1回、第2回シンガポールIT飲み会の時にシンガポールを訪れ
シンガポール2大テック系メディアTechinAsiaE27CEOに会い
それぞれ2回ずつ記事にしてもらえました。

●記事:TechinAsia
●記事:E27

あと、特に魅力なのが政府が積極的に外国企業を誘致している
だけあって、政府系機関の柔軟さ、積極さが素晴らしいです。
ChatWork社がお世話になったのは政府系投資機関Infocomm
方が、いろんな方をつないでくれました。


そして引き合わせてくれたのがSingtel系のSIerMalifaxという会社で
700社の大企業をクライアントに抱え、新たな展開としてChatWork
シンガポール、インドネシアで独占販売したいというオファーを
もらいました。

まずはシンガポールだけ独占販売を許可して契約締結へ。
専属の営業担当もつけて現在必死で新たなジャンルへの取り組みを
開始してくれています。

そしてこれはシンガポールだけでなくアメリカでもそうですが
契約までのスピードが異常に早い。日本なら半年~1年かかるような
大型契約にも関わらず計2週間で締結に至りました。
もちろん細かい漏れはたくさんありますが、それより時間かかって
機会損失を防ぎたいということだと認識してます。


ChatWork社もスピードは早い方ですので、やっとうちのスピードと
同じ感覚で仕事ができる会社を海外に見つけたと思いましたが
契約書のリーガルチェックが1日で返ってきたのにはさすがに驚き
うちのリーガルチェックも負けじと1日で返しました。笑

シンガポールは20年前まで日本経済に憧れ参考にしていましたが
この20年はどうやったら日本のように停滞しないかを参考に
しているという悲しい状態です。。。何とかしないとですね。

しかし、今でもシンガポール人は親日で、日本の会社というだけで
アドバンテージがあります。このアドバンテージが無くなる前に
日本を復活させないといけませんね。


台湾


台湾は言わずと知れた超親日国です。もう異常です。笑
3・11で寄付した金額が多かったことがニュースになりましたが
台湾1カ国で残りの全世界の国の寄付金額を足しても上回るほど
だったことは意外と知られていません。


台北IT飲み会を開催した時も50人の参加者中半分が台湾人。
日本人が新しいことを台湾でやるというだけで、とりあえず
興味を持って集まってくれる。こんな親日国家で海外展開が
うまくいかなければ他のどの国でもうまくいかないんじゃないかと
考えて、ChatWork社のグローバル戦略の第一弾のステップとして
台湾に重きを置いています。

そんな親日の台湾ですが、そうはいっても海外です。
顔も感覚も似ていても違うものは違います。
台湾向けにきちんと戦略を練らないとうまくいきません。

ChatWorkでいうとB向けのサービスですから日本では
LINEは友達や家族とChatWorkは仕事で使うと言ったら
「台湾では会社に入ったらみんな友達だから使い分ける
必要がないんです」と言われズッコケました。

そこで編集ができないとかタスクとか機能面でアプローチ
したりするなど、切り替えないと刺さりません。

また、台湾の事情としてすぐに転職するジョブホッパーが
ほとんどなので台湾の経営者は全員マネジメントで
悩んでいるそうです。
上司が隣にいるのに「私ChatWork社で働きたい」と
言ってくるほど・・・上司は苦笑い。

そこで考えたのが台湾は日本に憧れている部分も多いので
日本で社員満足度が一番高かったということをPRして
その会社がそれを実現するために作ったツールが
ChatWorkだという切り口で攻めることにしました。

台湾では何かあったらすぐに記者会見をするという
文化なので、記者会見を開きました。


すると取り上げられたメディアが以下。すごすぎ!笑

●記事リスト:
YAHOO!台灣 甘偉中


台湾でのサインアップが爆発的に増えました。
しかし傾向としてサインアップが爆発的に増えた後
一定期間たつとパッタリ止まってしまうので
まだ台湾人の心に響くアプローチができていないのだと
思います。まだまだ改善の余地ありです。



香港

香港はここ最近の尖閣報道ですっかり反日になってしまった
と思っていました。ですからアジアでChatWorkが狙える
市場はシンガポール、台湾、韓国、香港だと思っていましたが
後者の2つはリストから外していて、アプローチがあったら
話は聞いてみようかなというレベルでした。

上記の台湾の記事を読んだ香港人がChatWorkをどうしても
香港で売らせて欲しいとアプローチしてきたため
ルクセンブルクの帰りに香港に寄ることにしました。

2日間みっちり一緒にいてとことんお互いの情報共有をした所
政治を除けば香港人の多くは日本が大好きなんだとわかり安心。
円安になったことで香港人が日本に旅行に行くと20万円分くらい
お土産を買って帰るとのこと。
中華系はお土産が大好きで、とても重要なんだそう。


シンガポール、台湾に続いて私の中でアジアの主要国にリスト入り。
次回は大阪本社に訪問しにくると行ってました。
ChatWork社と提携できたら日本に遊びだけでなく仕事でも
行けるのでとても嬉しいと言ってました。


B向けでアジアにグローバル展開するなら、まずは上記3国を
足がかりにするのが良いと思います。


ヨーロッパ編


先週はヨーロッパ展開の情報収集としてルクセンブルクの展示会に
出展してきましたが、まず参加することになった背景は
日本のグローバル展開のセミナー講師として呼ばれて登壇した際に
ルクセンブルク大使館の方から
「皆さんグローバル展開というと北米とアジアでヨーロッパが
すっかり抜け落ちてるのが残念」と言われていて
翌日急遽ルクセンブルク大使館に訪問することに。

もともとルクセンブルクはヨーロッパにおけるシンガポール的存在
(ハブ機能)というのは知っていたので、話を聞いてみると
魅力がたっぷりでした。

・ロケーションがドイツ、フランス、ベルギーに囲まれている
・ほぼ全員が英語、フランス語、ドイツ語、ルクセンブルク語が話せる
50万人しか人口がいないため政府と近い
・政府が明確にITを誘致するという方針を固めた
・厳しいEUの中でも法律がもっともゆるい、EUはどこかの国で
定められた法律を守っていれば他の国でも適用されるため
フランス人やドイツ人が自国ではなくルクセンブルクに設立し
毎日通勤してくる人がとても多い。
・データセンターが充実していてITサービスが提供しやすい

などなど、これはリサーチしなければいけないなと思った所
「ちょうど6月にICT SPRINGという展示会があって10社枠が
あるところに1社キャンセルが出たんですよ」なるほど・・・
「それはChatWork社のために空けてくれたようなものですね、
はい、出します。シリコンバレーから直接行きますね。」で決定。

実際出展してみてわかったのはアメリカとはまた違った
多様性があり、大きな市場があり、アメリカもなかなか入り
こめていない、進出してるアジア人も僅かと非常に魅力的な
国でした。

ただ、アジアと違って見た目からベースの文化も違うため
出張ベースで攻めるのは無理だと判断。ヨーロッパ展開するなら
アメリカ同様に腰を据えて子会社を設立する気持ちで
取り組む必要があります。ChatWork社でも今後のヨーロッパ
展開を検討してみたいと思っています。




中東編

ルクセンブルクの展示ブースで中東の方から話しかけられて
「このサービスをぜひクウェートで展開して欲しい。
資金も出せるし、投資がいらなくても支援することも可能。
みんなアウトルックで困ってるんだ。」

中東?!それはないでしょうと思ったけど、とりあえず
いろいろヒアリングしてみようと思って聞いてみたのが

「中国語のように中国と台湾で漢字が違ったりするけど
アラビア語はどうなの?」
「モロッコからドバイまで全部同じだ。」

「アラビア語は右から左に文字を書くからそれを考慮して
作っていないんだけど、その辺どうなの?」
「ビジネスマンはみんな英語使えるから問題ない」

「どういう会社があるの」
「オイル系以外の会社は小さい会社が多い」

「市場はオープンなの?」
「海外から入ってくる新しいサービスは大いに
ウェルカムだ。ぜひ来て欲しい」


なんとも、全く視野に入れてなかった中東が
面白いという発見がルクセンブルクに出展したことで
発見できて良かった。

次はドバイかクウェートに情報収集に行ってみたい。



グローバル展開まとめ

ChatWork社が実践してきたグローバル展開の現時点での
総括となるようなブログ記事で、超長文になりましたが
グローバル展開を検討されてる方には参考になる情報が
いくつかあったかと思います。

まだまだChatWork社もアグレッシブに活動して
世界のプラットフォームになる日を目指して頑張ります。

そして最後にこんなこと言うと元も子もないかもしれませんが
世界で頑張れば頑張るほど日本市場の大きさ、魅力、そして
日本人にとってやりやすい(海外からの競合が入りにくい)
市場はありません。これをグローバル展開してる方に話すと
全員が「そう!そうなんだよね!」と言います。


メディアや周りがグローバル・グローバルと言っているから
焦って進出すると日本本体がコケてしまいます。
とはいえこれから市場が縮小するのは間違いありませんから
世界を意識しつつ日本本体をしっかりとした地盤が築けるまで
成長・安定させてからチャレンジされることをお勧めします。


■グローバル展開のステップ

1、日本の会社を成長・安定させる

2、世界に通用するサービスを意識して開発し
日本でユーザーを獲得して収益化を目指す

3、サービス内容に応じて展開する国を選ぶ

4、決定権者が海外に行けるよう社内の仕組み化する

5、グローバル展開は成果が出るまで時間とコストが
かかることを認識し、成果が出るまでやり続ける


今後のChatWork社の活動は私のFacebookやシリコンバレー
挑戦日記に書いて行きますので、興味がある方は
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また質問がある方は下記よりChatWorkで私に
直接質問することも可能ですのでどうぞ


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ChatWork シリコンバレー社会人インターンシップ研修プログラム